イベントとかについて思うこと

こんばんは。音速通信工業です。

風営法でクラブの深夜営業が摘発されまくって久しいわけですが、つい先日は渋谷のガスパニックもやられたとか。何度か遊びに行ったこともあり、軽く衝撃を受けたりしています。僕自身はクラブ経営者じゃありませんが、お店で音楽をかけさせていただいたり、あまつさえ人様を踊らせるといったことをさせていただいており、他人事ではないわけで、自分がDJしている時に警察に踏み込まれたりしたら社会的立場とかどうなっちゃうんかなーとか漠然と考えることも多く、これは何とかしないといけないと考えています。

しかし、僕の偏狭な認識から考えるに、これはある意味当たり前の状況なんじゃないかと思います。要するにクラブ活動というものがまだ世間様に正当な文化的経済的活動だと認められていないからなんですね。世間の大部分の「いい大人」から見て、クラブで踊ってる連中というのはコンビニの前でたむろしてる連中と何ら代わらないんですよ。悲しいことですが僕はそれが現実だと思う。

そういう状況を打破するにはどうしたらいいんですかね。「警察官僚の天下りを受け入れてレジデントにしろ」なんて冗談も時々見かけますが、そうした活動されている例は寡聞にして知りません。もし警察官僚を受け入れて某産業のように生き残ることを本気で目指して関係各所に働きかけたりしている方がいらっしゃったら是非とも知りたいです。

まあ、僕は僕なりに考えてみました。

クソみたいなDJですが、しばらくやっているとそれなりにDJ同士の交遊関係ができたりしてありがたいことにイベントを開催させていただいたりしております。土日の日中に。真昼間に。はい、この真昼間というのが重要なんですよ、僕的には。

一般的にクラブイベントって夜の10時から始まって翌朝5時までとか、そういうタイムテーブルで開催されることが多いんですが、この時間帯での開催には致命的な欠陥があります。それは「大人が来られない」。

普通に会社勤めしている人にとってたとえ週末の一日といえど、徹夜で遊ぶというのは、これはもう、若い皆さんが想像する以上にハードルが高い。実際そういうイベントに来ている人のほとんどは大学生であったり業界関係者であったり、クラブイベントが大好きなサラリーマンであったりするわけです。「クラブイベントが大好きなサラリーマン」は翌日死亡すること覚悟で来ています。まったくありがたい話であります。では普通のサラリーマンは? 来ません。休日丸一日潰れるような遊び方はできないんですね。年とると徹夜するの実際キツいですよ。若い方々、覚悟してらっしゃいね。

ともあれ、ここで結構重要な事柄が見えてきませんか。「大学生、業界関係者、イベント好き」で構成された客層っていかがなもんでしょう。これって既に固定されてませんか? 何かそこから広がる世界がありますか?

大学生の方々はたぶん就職してしばらく経つと来なくなります。そして一部のイベント好きな人だけ継続的に遊びに来てくれますが、大部分の人はリタイア。当たり前ですよ。サラリーマンはしんどいんです。業界関係者は? まあそれなりに通ってくれますが数が知れている。大きく減りもしないけど増えることもないですよね。固定メンバーでの閉じた空間ででかい音出してふらふら踊ってるわけのわかんない遊び。この状況で世間にクラブイベントを理解しろって方が無理があるんじゃないでしょうか。

この状況を打開するには、僕は「普段クラブに来ない人、来たことない人に遊びに来ていただくしかない」と考えました。そのための第一条件が開催時刻です。早ければ午後2時とか3時とかから開始して、遅くとも夜の11時には終わる。つまり終電で帰れるってことです。

それだけでいいのか? と僕なりに足りない頭を絞って考えます。たとえば初めてクラブに来た人にとって、イベントってどんな場であるべきですかね。イベントに来た人は紛れもない「お客さん」なわけです。そして主催者含め関係者一同は「お店のスタッフ」なわけです。
さて、ここで主催者とその周辺の身内ばかりが内輪で盛り上がっていて、一見さんがやってきたのにずっとほったらかしにしてたら? たぶん二度と来ませんよね。

もちろん主催側が楽しむことはとても大事だし、それがなかったらそもそもイベントなんかやる意味ないんだから、思い切り楽しめばいいと思います。でも見慣れない客がいたら、中には話しかけられるのが嫌いな人もいるかとは思いますが、一般的にはお店の人間として何かしらアクションがあったほうがいいと思うんですよね。ちょっとしたことでいいんですよ「誰かのお友達ですか?」とか「(このイベント)どこで見つけられたんですか?」とか。そうしてもし仲良くなれたら次回の開催にも来てくれるかもしれませんよね。そのイベントで回しているDJさんの別のイベントにも行ってみようかな、って思ってもらえたりするかもしれませんよね。あ、今してるのは小箱の話です。大箱で大量動員するようなイベントは別に考えるべきかなと思っています。

というわけで、話は飛びます。僕は自分のイベントで基本的にノルマを設定しません。DJさんに提供していただくリソースをどのように最大限発揮していただくか、っていうことを考えるに、単なる数合わせを目的にひたすら保険のセールスよろしく親類・知人に声を掛けまくることにエネルギーを消費してほしくない。そりゃまあ人はたくさん来てくれたほうが収支的には助かりますしイベントも盛り上がるのでDJが集客すること自体は否定しません。実際「ノルマはないけどお客さん呼んでくれるとありがたいね」くらいのことは言います。でもそうやってノルマで集めたお客さんて、ちょっと前に書いた「固定された客層」そのものだったりするんですね。

じゃあどこでDJさんの本領を発揮して欲しいかというと、第一にはパフォーマンスを最優先にして欲しい。それから、スタッフサイドだという意識をもってお客さんに接して欲しい。吸殻がたまっていたら本当のスタッフさんが集める前に集めて欲しいし、空のグラスがあったら積極的にカウンターに運んで欲しい。ソファー占有して仲間同士でくっちゃべってばっかりの「自分がお客さんモード」ばかりじゃなくて、そこに来たお客さんをもてなす視点も持って欲しい。

そういう細かいことの積み重ねで、徐々に徐々に裾野が広がって、人数が増えることによっていつしかいわゆるクラブイベントが、大人が普通にふらっとやってくる、普通の遊び方として世間に認知されるようになって、みんな幸せになれるんじゃないかと思うんですよね。

つーわけでこっからは宣伝ですけど今年の12/11(日)に早稲田の茶箱というところでデイイベントやります。クラブあんまし行かないしー、なんか何やってるかわかんね、っていう方も是非遊びに来てください。接客のプロじゃないので大したことは出来ませんが少なくとも楽しい気分で帰っていただけるようには頑張りたいと思っています。

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